KAFE9 - KAAT

2012.09.06

contact Gonzo 塚原悠也コメント

この作品を作ろうと思ったのは、「複製可能な録音物が劇場でパフォーマティブな力を持つことができるのか」という事を確かめたかったからです。複製可能な物と劇場空間は、あまり相性がいいとは思いませんが、きっと「複製可能な録音物が劇場でパフォーマティブな力を持つこと」は可能で、なおかつ面白いものを作れるだろうと思いました。

もうひとつのきっかけは、この先きっと、シンギュラリティ的な発想で世界が進むと、アンドロイドや、人造人間のような存在がパフォーミングアーツを含めた芸術を進めるだろうから、今回チャレンジする作品で、いまのうちにクラシカルな形態の人間が、そういう未来の世界に、一矢を報いる必要があるだろうと感じた事です。イメージすることができればバーチャルリアリティのように全てを与えられる必要はありません。最先端のテクノロジーをふんだんに使う事無く、もの凄くテクノロジカルな作品を作るというある種の抵抗が可能であろうと思います。

そんなことを考えていとき、僕はちょうどセカンドライフ(インターネット上の仮想世界)に少しはまっていました。その世界の中のしょうもないクラブで、自分の分身となる白塗りのアバターが、クネクネと無限に踊ってました。そして、そのままタダで拾ってきた、マイケルジャクソンのTシャツを着て、車いすで空を飛んで、銃を撃ちまくりながら、考え事をしていました。その後もこの仮想世界の中でステラーク氏と知り合ったり、彼のパフォーマンスを撮影したりと、さらにいろいろな事を考えていました。

直接的なきっかけとしては、2010年に美術家の梅田哲也氏と車で一緒にツアーに出たり、そのときに鈴木昭男氏にお会いしたりしたということもおおきいです。
鈴木氏の作品『ひなたぼっこの空間」に立ち会うことができ、いろいろ視界が広がりました。耳がいい人たちと一緒にいたので、耳の事について考える時間が増えたという事です。そもそも梅田氏の作品は、必然的に耳が良くならざるを得ない。

今回の録音のエンジニアリングをしてくれている西川文章氏との出会いも大きいです。
昔から音響技師としてミュージシャンとして知ってはいたのですが、最近イベントで一緒だったときに、泡立て器の持ち手の先を耳に当てて、ビンビン鳴らしながら、「これめっちゃすごい音するねん」とお客さんの耳に実際に当てて、説明するパフォーマンスが面白かったです。変に納得させられたのは、別のイベントで見かけたときに、もはやお客さんに聞かせる事をやらず、かなり熱心に自分だけで泡立て器を叩いていたときです。変な潔さとハードなクリティシズムを感じました。
また、テニスコーツの二人にも、楽器の扱いや、音の作り方にかなり影響を受けているはずです。
音を出している人が、位置を変えたり、向きを変えるだけで、もの凄い音の景色が変わるということをライブで何度も見かけています。

全員に共通して言える事は、電気への考え方、つまり必要最低限の電気を使うことによって
アコースティックな発想で作品をつくっていく、という事ではないでしょうか。

僕たちも舞台芸術や身体芸術という物に関して、そういった発想で作品を作っていきたいと考えています。

快快(FAIFAI) contact Gonzo 悪魔のしるし We dance 横浜 2012 池田扶美代 Co.山田うん 池田扶美代 x 山田うん Promenades blanches Bodies in urban spaces KAAT