KAFE9 - KAAT

2012.07.12

contact Gonzoインタビュー 見た目は……ないです。音だけです。

身体と身体のぶつかり合う動きや音が
印象的なcontact Gonzoの新作はいつもとまったく違うものになるとか。
制作途中の作品について語っていただきました。

インタビュー:伊藤ガビン 撮影:ただ(ゆかい)

——
さっそくですが、普段コンテンポラリーダンスなどパフォーミングアーツを見たことないようなお客さんに、コンタクト・ゴンゾがやってることを説明しようとしたら、どうなります?
塚原
えーと簡単に言うと……友達とかと集まって、ちょっと小さくぶつかったりするところから始まって、それがだんだん大きくなって殴りあうような格好になったり、引きずり倒したりしながら、即興でいろんな動きを作っていくので、それを見て楽しむって言う感じですかね。
——
ぜんぜんわかんないと思いますけど(笑)。あえてこの表現を使わせてもらうならば「喧嘩」のように見えますよね。
塚原
僕らはスケボーに近いと感じてるんですけど。スケボーって派手にコケたりしても悲壮感はないですよね。痛そうではあるんだけど、それを見た人が精神的なショックを受けたり、暴力的なものを感じ取ったりする必要はない。僕らのやってることも、まずはそういうショックを受ける必要はないんです。なんかこう、走ってって、飛んで、どう着地するかってことをやってるんです。
——
ああ、わかりやすいですね。パッと見では肉体と肉体がぶつかり合い、もみ合い、取っ組み合うので危険を感じますが、実際にはそうではないですね。
塚原
そうなんです。夜中の公園で押し合ったり、シンプルな動きを繰り返しているうちに出来上がってきたものなのですし。
——
そうしたシンプルな肉体の動きから映像や装置などを使った複雑なものや、他のアーティストとのコラボレーションなどもしてきました。今回KAATでの新作はどのような作品になるのですか?
塚原
それが肉体が表に出ることない、音を使った作品になる予定です。
——
え?
塚原
説明が難しいんですが、音を使った映画のような作品ですね。インスタレーションに近い作品かもしれませんね。
——
音はやっぱり肉体が作り出す音なんでしょうか?
塚原
いろんな音です。たくさん録音して24チャンネルくらい使って立体的に劇場で再現します。
——
録音?? ということはその場でリアルタイムで出すサウンドパフォーマンスとかではないんですね。録音した音を再生して、そこに即興が重なるとか?
塚原
いや、もう今のところ音だけで作ろうとしています。
——
肉体なし!?
塚原
今のところはそうですね。最終的にどうなるかわからないですけど。ある出来事を立体的に録音して、その出来事を再現しようと思ってるんです。

——
どんな見た目なんですか?
塚原
見た目は……ないです。
——
いままでと違いすぎるじゃないですか!
塚原
でもこれはサウンドを使ったオブジェとかではないんです。劇場では入れ替え制でちゃんと始まりと終わりがあるものになります。
——
劇場に入って、着席して、記録されたものの再生が始まって、終わって、席を立つ、と。そういう意味で映画のような作品ということなんですね。ただこれまでの活動とはだいぶ違う趣のものであるという。どう説明しよう……。
塚原
ただこれもコンタクト・ゴンゾのいつもの考えにのっとった活動ではあるんですよね。身体がぶつかる、身体が痛む、何かが倒れる、そういう面白い音がいっぱいある中で、どの順番でいつ出すかということがコンタクト・ゴンゾらしくなるので、そういう意味では他の人の作るサウンド・インスタレーションとは違うものになると思うんです。
——
最初にストリートではじめた活動をYouTubeなどで発表してましたね。今回の会場のKAATはいわゆる「劇場」です。劇場ということを意識されますか? やりにくさはないですか?
塚原
劇場、好きなんですよ。僕は元々大阪の劇場の制作スタッフです。
——
そうなんですか!?
塚原
十年くらい前から劇場に関わり始めて、3年くらいは常勤で働いてたんですね。だから劇場の仕組みのことはよく知っているんです。音響、照明、稽古場等々、作品を作る時の前提がたくさんあって、そういうことがデフォルトというか、それありきのように見えてきた時に非常に危機感を感じたんです。
——
劇場の制作スタッフゆえに見えてくる、劇場でパフォーマンスをするための基本セットみたいなのが見えたんですね。
塚原
このままでは自分が本当に見たい、もっとめちゃくちゃなものが作れなくなるんじゃないか? という気持ちがあって、そうした劇場のシステムを一切使わない方法でやろうと思ったのがコンタクト・ゴンゾなんですよね。
——
全然知りませんでした。ではある意味、今回は凱旋というとヘンだけれど、劇場に挑戦というよりは帰ってきたという感じなのかもしれませんね。
塚原
いつか戻ってこれたらいいなとは思っていたんです。ただ、このまま一生呼ばれない可能性もあるなと思っていたので、呼ばれてよかったです(笑)。

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快快(FAIFAI) contact Gonzo 悪魔のしるし We dance 横浜 2012 池田扶美代 Co.山田うん 池田扶美代 x 山田うん Promenades blanches Bodies in urban spaces KAAT