KAFE9 - KAAT

2012.07.12

快快リーダー 北川陽子さんインタビュー なんでもかんでも忘れちゃわないほうがいいって!

KAFE9で久々の新作「りんご」を上演する快快。
台本作り真っ最中のリーダー北川陽子さんに
お話を伺いました!

インタビュー:伊藤ガビン 撮影:池田晶紀

——
KAATのKAFE9で久々の新作「りんご」を発表されるわけですが、その前に! 快快がどういう劇団なのか普段あまり演劇を見ない人たちにもわかるように説明していただけますか?
北川
うーん、集団制作をしがちなところとか?
——
しがちって……。
北川
特権的な演出家の指示に従うんじゃなくて、メンバーの関係は割とみんなフラットで、みんながアイデアを持ち寄って作ってるんですね。役者も美術も映像も音楽も、それぞれが自分たちの楽しめるオモチャのようなアイデアを持ち寄って、演出家の篠田(千明)の役割はそれをリミックスするような仕事になるのかな。
——
快快は、美大の同級生が中心に旗揚げされた集団ですよね。メンバー間もフラットだけど、お客さんたちともすごく距離が近い感じがします。ステージで踊らせたり、コミュニケーションが多いですよね。そういうフラットさは、元々持っていたものがそのまま現れているということなんですかね?
北川
いや、最初は違ってました。トップダウンでやろうとしてたっていうか、演劇ってそういうものだと思ってたから。大学で習ってた時も、普通の演劇の方法でやろうとしてた。だけど先輩方の劇団の「トップの人の頭の中の世界を具現化するのにやっきになってる」感じは、それだけだと面白くないなって感じてた。だからメンバーひとりひとりから文章集めたりして、わざわざ混ぜることには意識的だったと思います。流されてたらこうなってた、ってことでは全然ないんですね。
——
メンバーで話し合って舵を切ったということですか?
北川
勝手にわたしが思っていただけだけれど、快快って何も言わなくても自然に共有できるところがある。
——
制作プロセスはさておき、作品そのものはどう説明します?よくキャッチフレーズで「ハッピーオーラ集団」て書いてますよね。
北川
あれわけわかんないですよね(笑)
——
ほかのメンバーに聞いた時も「わけわかんないですよね」って言ってました(笑)。でもあれ好きです。行ってみたらなんかハッピーになるという。席に大人しく座って「観劇」するって感じではまったくなくて、音楽イベントとかに行く感じに近いのかもしれないですね。
北川
一般の人も来やすいように工夫してます。でも実際には演劇を普段から見てる人が来てますね。一般の人が来ないのは、たまたま見に来る機会がないだけなんだなって思うんですよ。
——
予備知識なくても楽しめる内容ですもんね。
北川
それはもう。サッカー見に行くくらいの感じで演劇見てほしいと思って、お客さんとの距離近くしたりとか試みているんだけど、難しいです。試みは一応はうまくいってる。だけど、すごくうまくいってるわけじゃない。美術系の学生だったら来るけど、一般の学生さんとか来てないですねー。ヨーロッパツアーとかすると一番違いを感じるのはそこ。ちっちゃい時からめっちゃ見てる。

——
ああ、演劇見ることが特別のことじゃなくて。
北川
見るのが日常的にあって、見てるから見方がもわかるし、わかるからまた見に行くという。
——
その違いはどこから来てるんですか。
北川
国の偉い人もそういう風に育ってるから、国のシステムの中に自然に芸術が入り込んでいるんでしょうね。日本の官僚とかそうゆうとこセンス無い。勉強ばっかりしてたんじゃないかな。だから見てもらわないと変わらない。
——
むりやりにでも来てもらわないとですね。
北川
そういう人たちって、スポーツ観戦とかは行ってる感じするんですよ。いろんなことをスカッと忘れられるものは行ってる感じがするの。だけど、そんなになんでもかんでも忘れないほうがいいっていうか!!
——
どこまで忘れるんだと!
北川
エンターテインメントだって、日常を忘れるためのものばっかりでしょう。エンタメってそういうものだけじゃないですよね。考えるためのものもある。だからスポーツ観戦してるような人に来てもらいたいですよ。
——
それで、新作はどんな内容なんですか?
北川
物語がありますよ。しかも快快には珍しくはっきりしたテーマもあります。
——
え。
北川
テーマはなんと『死』です。
——
えー!
北川
それをはっきり打ち出すかどうか迷うところですがテーマは『死』ですね。死というのは、一周回れば愛と勇気と希望につながっているので、そういう意味では「元気出してこー!」ってまあいつもと同じなんですけどね。いつも元気出してもらおうと思って作ってるんだけど、テーマは死なんですよ。そしてその先にある無敵のユーモアなんです。個人的なことだけれど、今年いろんなことが終わって、また新しいことがはじまる、よしやるぞ!という気持ちがあるんですよ。
——
快快にとっては、この舞台を最後に、結成当初からの主要メンバーが抜けたり、休んだりしますよね。そういうことも関係あります?
北川
なくはないでしょうね。なくはないけど、3.11のことも、もっと個人的なことも、いろんなことが関係しています。
——
今回は劇場が横浜です。これまでも横浜の小さな空間でたくさん作品を作られてきましたね。
北川
横浜にはわたしたちのような作品を上演できる場所がたくさんあるんですよ。そういうことに理解のある場所という印象があります。だけど見に来てくれる人は圧倒的に東京のお客さんなんですよね。
——
ああ……それはもったいない話ですね。じゃあ今回は東京の人は来るな!と言いましょう。
北川
それはいやです!(笑) 東京の人も、神奈川の人も来て欲しい。スポーツのようにスカッと現実を忘れられるようなものじゃないかもしれないけど。

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